開業届を出すのは難しそうだと思っていませんか。私も出す前はそう思っていました。


- 開業届を出すまでの流れと持ち物
- 窓口で実際にかかった時間
- 屋号や職業欄に書いた具体的な内容
- 青色申告65万円控除の条件
- 出したあとに残っている課題
結論からお伝えします。開業届の提出そのものは、窓口で10分から20分ほどで終わりました。待ち時間もゼロで、持って行ったのは書類2枚と身分証明書だけです。
拍子抜けするくらい簡単でした。ただ、出したあとに気づいたことがあります。私が目指している青色申告の65万円控除には条件があり、いまの私はその条件を満たせていません。
この記事では、手続きの中身をそのまま書いたうえで、出したあとに何が残るのかもお伝えします。これから出す方の準備になればうれしいです。
開業届を出すまでにやったこと
まず、提出日までの流れをお話しします。私が開業届を出したのは2026年7月13日です。
会社を辞めたのは同じ年の3月でしたから、退職から4か月ほど経っていました。すぐに出さなかったのには理由があります。そのあたりは後ほど触れます。ここでは準備として何をしたのかを書きます。
事前に税務署へ相談に行った
いきなり書類を持って行ったわけではありません。その前に一度、税務署へ相談に行っています。
結果として、これがいちばん良かった準備でした。書類の書き方をその場で教えてもらえたからです。職員の方は親切で、分からないところを一つずつ説明してくれました。
持って行ったのは3つだけ
提出の日に持参したものは、次の3つです。
- 身分証明書
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
書類は事前に記入して持って行きました。印鑑も使っていません。思っていたより少ない荷物で済みます。
開業日は提出日と同じにした
書類には「開業日」を書く欄があります。私はここを、提出した日と同じ7月13日にしました。
開業届は事業を始めてから1か月以内に出すことになっています。日付を分けると期限の計算がややこしくなるため、同じ日に揃えるのが分かりやすいです。

税務署の窓口は10分で終わった
当日の話をします。構えて行ったのですが、あっけないほど早く終わりました。
役所の手続きというと、番号札を取って長く待つ場面を想像される方が多いと思います。少なくとも私が行ったときは違いました。書類を渡して、受け取ってもらって、それで終わりです。ここでは実際の様子をそのまま書きます。
待ち時間はゼロだった
窓口に着いたとき、待っている人は一人もいませんでした。そのまま案内されています。
全部で10分から20分ほどでした。事前に相談して書類を仕上げていたことも大きかったと思います。その場で書くことはほとんどありませんでした。
もらったのは箇条書きの手引き
事前相談のとき、「記載方法の資料はありますか」と聞いてみました。
渡されたのは、よくある記入例の見本ではありませんでした。箇条書きで注意点が並んだ手引きです。見本を期待していたので少し意外でしたが、どの欄に何を書くかは分かる内容でした。
青色申告は一言聞かれただけ
青色申告承認申請書も一緒に出しています。これについて、窓口で説明を受けることはありませんでした。
聞かれたのは「青色申告をしますか」という一言だけです。制度の内容や、控除を受けるための条件についての案内はありませんでした。自分で調べておく前提なのだと感じました。
開業届に何を書いたか
書類の中身に入ります。悩むのは屋号と職業と事業の概要の3つだと思います。
どれも自由に書ける欄なので、かえって手が止まります。正解がないぶん、人の例を見るのがいちばん早いはずです。私が実際に書いた内容をそのまま載せます。参考にしてください。
屋号は付けることにした
屋号は付けました。付けなくても構いませんが、私は付けることにしています。
理由は、仕事で使っている名前と揃えたかったからです。名前がばらばらだと、同じ人だと伝わりません。なお具体的な屋号は、仕事で使っているためここでは伏せます。
職業はwebコンテンツ制作業
職業の欄には「webコンテンツ制作業」と書きました。
動画編集とだけ書くこともできましたが、それだと範囲が狭くなります。インターネット上の制作物を幅広く扱える言葉を選びました。
事業の概要は広めに書いた
事業の概要の欄には、こう書いています。
インターネットを利用したコンテンツ制作、デザイン制作、動画関連、コンテンツ制作、AIを利用したコンテンツ制作及びこれらに付随する業務
長いと感じるかもしれません。意図的に広く書いています。これから仕事の幅が変わる可能性があると考えたからです。
いまは動画編集が中心ですが、デザインやAIを使った制作に広がることもあります。そのたびに書き直すより、最初から含めておくほうが現実的だと判断しました。
青色申告65万円の条件
ここからが本題です。私はこの条件を、出した時点できちんと理解していませんでした。
青色申告を選んだ理由を聞かれたら、正直に答えると「控除が多いから」です。65万円が引けると聞いて、それを目指すつもりでいました。ところが調べ直すと、65万円には段階と条件がありました。ここは書類を出す前に知っておくべき内容だと思います。
控除は3段階に分かれている
青色申告特別控除は、10万円、55万円、65万円の3段階です。青色申告を選べば自動的に65万円になるわけではありません。
簡易な帳簿で済ませる場合は10万円です。金額が上がるほど、求められる記帳の方法も厳しくなります。
複式簿記と電子申告が必要
55万円の控除を受けるには、複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書の添付も求められます。
65万円にするには、さらに条件が加わります。e-Taxによる電子申告、または優良な電子帳簿の保存のどちらかです。複式簿記で記帳していても、紙で申告すると55万円にとどまります。

2027年分からは75万円になる
もうひとつ、知っておきたい変更があります。令和9年分、つまり2027年分の所得からは、この65万円が75万円に引き上げられる予定です。
条件は複式簿記と電子申告に加えて、優良な電子帳簿の保存または電子取引データの保存です。いま帳簿のやり方を決めるなら、この先を見据えて選んだほうがよさそうです。
出したあとに残っている課題
正直に書きます。開業届を出して約3か月が経ちましたが、準備はほとんど進んでいません。
出したときの感想は「何も変わらない」でした。届出をしただけなので当然です。ただ、とりあえずこれで事業ができると思えたことは収穫でした。その一方で、やるべきことが3つ残ったままになっています。
何を経費にできるか分かっていない
いちばん手が止まっているのがここです。帳簿をつけようにも、何を経費にしてよいのかが分かりません。
いまは調べながら確認している段階です。判断に迷うものは、税務署に聞くのが確実だと思っています。
事業用の口座を分けていない
事業用の銀行口座とクレジットカードも、まだ分けていません。どの銀行にするかを選んでいるところです。
分ける予定ではあります。生活費と事業の支出が同じ口座だと、あとで仕分けるのが大変になるからです。これは早いほどよかったと感じています。
会計ソフトを決めていない
会計ソフトも導入していません。売上がほぼゼロなので、エクセルで記録していくつもりでした。
ただ、65万円の控除を目指すなら複式簿記が必要です。エクセルでこれを組むのは、簿記の知識がない私には現実的ではありません。会計ソフトを使うのが近道だと考え直しています。初めての確定申告は2027年の2月から3月なので、それまでに決めます。

開業届と青色申告のよくある質問
ここでは、私が調べているときに迷った点をまとめます。税の取り扱いは個々の状況で変わりますので、判断に迷う場合は税務署で確認してください。
気になる項目だけでも目を通してみてください。
開業届はいつまでに出しますか
事業を始めてから1か月以内とされています。青色申告承認申請書は、その年の3月15日まで、ただし1月16日以降に開業した場合は開業日から2か月以内です。期限を過ぎるとその年は青色申告ができないので、開業届と同時に出しておくのが安心です。
屋号は必要ですか
必須ではありません。空欄のままでも受け付けてもらえます。私はブログやSNSと名前を揃えたかったので付けました。仕事の相手に見せる機会があるなら、あったほうが伝わりやすくなります。
職業欄には何を書けばいいですか
自分の仕事を表す言葉であれば大丈夫です。私は「webコンテンツ制作業」としました。細かく書きすぎると範囲が狭くなるので、少し広めの言葉を選ぶ考え方もあります。迷ったら窓口で相談すると教えてもらえます。
税務署に行かずに出せますか
郵送やe-Taxでも提出できます。ただ私は、分からない点をその場で聞きたかったので窓口を選びました。初めてで不安がある方には、事前相談も含めて窓口をおすすめします。待ち時間もありませんでした。
青色申告にすると何が大変ですか
記帳の手間が増えます。10万円の控除なら簡易な帳簿で済みますが、55万円や65万円を目指すと複式簿記が必要です。日々の取引を記録し続けることになるので、会計ソフトを使うかどうかで負担がかなり変わります。
売上がなくても開業届は出せますか
出せます。私も提出時点で売上はほぼありませんでした。ただし開業届を出すと失業給付との関係が出てくるため、受給中の方は順番に注意してください。私がどう判断したかは別の記事に書いています。
まとめ
開業届と青色申告について、実際の流れを振り返ります。
- 窓口での手続きは10分から20分で完了
- 持ち物は身分証明書と書類2枚だけ
- 事前に税務署へ相談すると書き方を教えてもらえる
- 青色申告の控除は10万・55万・65万の3段階
- 65万円には複式簿記と電子申告が必要
- 2027年分からは75万円に引き上げ予定
手続き自体は、身構える必要がないほど簡単でした。本当に大変なのは、そのあとに続く帳簿づけのほうです。
私はいま、経費の範囲も、使う銀行も、会計ソフトも決められていません。開業届は出して終わりではなく、そこからが始まりだと実感しています。これから出す方は、出す前に帳簿のやり方まで考えておくと、私と同じところで止まらずに済みます。
7月13日という日付になったのは、子どもの保育園の期限が7月末だったからです。その経緯は退職後に保育園は続けられるかに書きました。なぜ退職から4か月も経ってから提出したのか、失業給付との関係は失業保険と開業届の正しい順番に書きました。失業給付を受けている方には関係の深い話です。あわせて、退職後に自分で払うことになるお金については、退職後の国民年金は年21万円にまとめています。あわせて読んでいただくと、辞めたあとに必要な手続きがひと通り見えるはずです。


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