「そろそろ会社員を辞めたい」と思いながら、あと一歩が踏み出せずにいませんか。


- 辞めたい気持ちと将来の不安の板挟み
- 必要な貯金額が分からない状態
- 家族への説明に対する不安
- 退職後の手続きへの戸惑い
結論からお伝えします。会社員を辞める前にやるべき準備は7つあり、貯金の目安は生活費の6か月分です。ただし貯金だけあっても足りません。私自身がその証明になっています。
私は30代で、社員数十名の会社に10年半勤めていました。電気通信の施工管理として現場を担当し、出張の多い毎日を送っていました。帰宅できるのは週末だけ、現場によっては1〜2か月に一度という生活です。
- 電気通信の施工管理として10年半勤務
- 4歳と0歳の子どもを育てる30代
- 生活費1年半分の貯金を持って退職
- 現在はフリーランスの動画編集者1年目
その会社を辞め、今はフリーランスとして動画編集を始めています。ただ正直に言うと、まだほとんど稼げていません。スキルの準備をしないまま辞めてしまったからです。
だからこそ、やっておくべきだった準備を具体的にお伝えできます。読み終えるころには、あなたが今やるべきことがはっきりしているはずです。
会社員を辞める前に知るべき現実

会社員を辞めると決めたとき、多くの人は「自由になれる」という明るい面ばかりを見てしまいます。しかし実際に会社を離れて痛感したのは、会社員という立場がいかに守られていたかという現実でした。
ここを知らないまま退職すると、想定外の出費に驚くことになります。まずは辞めたあとに何が起きるのかを、正確に把握しておきましょう。
収入が段階的に細っていく現実
会社員の最大の強みは、働けば必ず決まった額が振り込まれることです。この当たり前が、辞めた瞬間に崩れます。
私の場合、退職した翌月から3か月間は失業給付を受け取りました。金額は会社員時代の給料の約6割です。生活はできましたが、明らかに目減りしました。
問題はその後です。給付が終わると、収入はゼロになりました。現在は親の仕事を手伝って月10万円ほど得ていますが、家族4人の生活費には届きません。差額は貯金から出しています。
- 退職1か月目から3か月目まで 失業給付のみ
- 給付終了後 収入ゼロの期間
- 現在 親の仕事の手伝いで月10万円ほど
- 動画編集の収入 テスト案件2件のみ
想像以上に重い社会保険料と税金
退職して驚いたのが、社会保険料と税金の負担です。会社員時代は健康保険も年金も、会社が半分を負担してくれていました。
辞めるとこの半分が自分に乗ってきます。さらに住民税は前年の所得をもとに請求されるため、収入が減った月にも前年基準の金額が届きました。私の場合、退職前の想定より月に数万円ほど支出が増えています。
もうひとつ驚いたのが督促状です。支払いが遅れると自宅に届きます。すぐに納めれば罰則はありませんが、滞納が続くと余計な費用まで払うことになると知りました。
- 国民健康保険料または任意継続の保険料
- 国民年金保険料
- 前年の所得に対する住民税
- 翌年の確定申告で確定する所得税
家族の生活を最優先にした判断
私が会社を辞めた一番の理由は、キャリアではなく家族でした。2人目の子どもが生まれ、育児の負担が妻に集中したためです。
出産を機に育児休暇を取りました。当初は1か月の予定でしたが、妻の負担があまりに大きく、3か月まで延長しています。それでも復帰後は元の生活に戻りました。出張が続き、夜勤もあり、子どもの面倒を見られる保証がどこにもない働き方です。
- 2人目の出産による育児負担の集中
- 出張続きで家にいられない働き方
- 夜勤による生活リズムの不安定さ
- 家庭の事情で必要になった時間の確保
加えて妻の実家の事情で、私がまとまった時間を確保する必要も出てきました。このままでは家族が立ち行かないと感じ、退職を決めています。
妻には貯金額を伝え、無収入でも1年は暮らせることを説明しました。子どもの面倒を協力して見られるようになるとも話しています。返ってきた答えは「いいよ、なんとかなるでしょう」でした。
会社員を辞める前の準備7つ

ここからが本題です。私は準備が足りないまま辞めました。だからこそやっておくべきだった準備を、7つに整理してお伝えします。
まずは在職中だからこそできる準備を4つ紹介します。会社に在籍している間は、収入という安全網がある状態です。この期間の使い方で、退職後の1年が決まります。
生活費と必要貯金額の把握
最初にやるべきは、毎月いくらで生活しているかを正確に知ることです。ここが曖昧なままでは、必要な貯金額も計算できません。
私はここだけは準備できていました。家計簿アプリで毎月の支出を記録していたため、生活費の1年半分にあたる約500万円を用意して退職できています。
家賃、食費、光熱費、通信費、保険料、子どもにかかる費用を書き出してください。そこに退職後に増える社会保険料と住民税を加えた金額が、あなたが毎月確保すべき水準です。
固定費の見直し
必要額が分かったら、次は減らせるものを削ります。収入を増やすより、固定費を下げるほうが確実で早いからです。
- スマホの通信プラン
- 使っていないサブスクリプション
- 掛け金の重い任意保険
- 車の維持費や駐車場代
月に1万円削れれば、年間で12万円が浮きます。これは案件を1件多く取るより現実的な改善だと言えるでしょう。
収入源になるスキルの習得
ここが私の最大の反省点です。動画編集の練習を始めたのは、会社を辞めたあとでした。
在職中にやっていたのは、AIを使ったYouTubeのBGM配信とLINEスタンプの作成くらいです。どちらも収入の柱にはなりませんでした。結果として、無収入の期間に一から技術を学ぶという一番きつい形になっています。
- 収入につながるスキルの選定
- 毎日30分でも続ける練習時間の確保
- 提出できる作品の完成
- 単価の相場調査
動画編集を選んだ理由は、在宅で完結することと、教材がネット上に豊富なことでした。この判断自体は間違っていないと思います。ただ着手する時期が半年遅かったと感じています。
辞める前に「お金をもらえるレベルの成果物」を1つは作っておいてください。
在職中の実績づくり
スキルがあっても、実績がなければ仕事は来ません。発注する側から見れば、実績は唯一の判断材料だからです。
私が受注できたのは、今のところテスト案件が2件だけです。在職中に1件でも納品していれば、この状況はかなり変わっていたはずだと感じています。
クラウドソーシングで小さな案件を受ける、知人の依頼を低単価で引き受けるといった方法があります。金額は問題ではありません。納品した経験があるかどうかで、退職後のスタートが変わります。
辞める前に済ませたい手続き3つ

残る3つは、手続きと家族に関わる準備です。地味な内容ですが、順番を間違えると受け取れるはずのお金を失います。
いずれも在職中に調べておけば、退職後は手を動かすだけで済みます。
健康保険と年金の切り替え確認
退職すると、健康保険は自分で選ぶことになります。選択肢は主に3つです。
- 国民健康保険への加入
- 会社の健康保険の任意継続
- 家族の扶養に入る方法
私は会社から説明を受けられたため、遅滞なく切り替えができました。ただしすべての会社が丁寧に案内してくれるとは限りません。どれが安いかは前年の所得と家族構成で変わるので、退職前に市区町村の窓口で試算してもらうと確実です。
失業給付と開業届の順番
ここは特に注意してください。順番を間違えると、失業給付を受け取れなくなります。
私は失業給付の申請を先に行い、開業届は後から提出しました。開業届を先に出すと事業を始めたとみなされ、給付の対象から外れてしまうからです。
- 退職後にハローワークで失業給付の申請
- 給付期間中は収入を得ずに準備へ専念
- 給付の終了を確認
- 開業届と青色申告承認申請書を提出
また給付期間中に収入があると、その分の給付は受け取れません。私はこの期間を準備期間と割り切り、仕事や作業は行いませんでした。
青色申告承認申請書は、開業届と合わせて提出しています。税金面で優遇を受けられるため、フリーランスとして働くなら忘れずに出しておきましょう。
家族との合意形成
最後にして最重要の準備が、家族との合意です。ここが曖昧なまま辞めると、うまくいかない時期に家庭内の空気が一気に悪くなります。
伝えるべきは「辞めたい」という気持ちではありません。いくら貯金があり、いつまでに、いくら稼げなければ再就職するのかという具体的な計画です。
私が実際に何をどう伝えたのかは会社を辞めると妻に伝えた日に書きました。説得しようとせず、貯金額と生活費を出して一緒に考える形にしています。
私は貯金額と、無収入でも1年は暮らせるという見通しを数字で説明しました。数字で示せば、家族は反対者ではなく協力者になってくれます。
会社員を辞めるタイミングと貯金額

準備が見えてきたところで、多くの人が最後に迷うのが「いつ辞めるか」です。ここでは判断の基準をお伝えします。感覚ではなく数字で決めることが、後悔しない退職の条件です。
タイミングを誤ると、せっかくの準備まで無駄になりかねません。慎重に見極めましょう。
生活費6か月分という最低ライン
貯金の目安は、生活費の6か月分です。フリーランスとして収入が安定し始めるまでに、それだけの期間がかかることが多いためです。
月の生活費が30万円なら180万円、25万円なら150万円が目安になります。ここに住民税や国民健康保険料といった、退職後に増える支出を必ず含めてください。
ただし6か月分あれば安心かというと、そうではありません。私は1年半分を用意して辞めましたが、それでも不安は消えていないのが実感です。スキルがなければ、貯金は減る一方だからです。
辞めどきを決める3つの質問
次の3つに答えられるなら、辞める準備は整っていると考えてよいでしょう。
- 収入ゼロで何か月耐えられるか
- お金をもらえる成果物があるか
- 家族に計画を数字で説明できるか
私は1つ目と3つ目には答えられましたが、2つ目には答えられませんでした。答えられない項目を埋めてから辞めるほうが、確実に成功率は上がります。
今は辞めない方がいいケース
正直にお伝えすると、辞めるべきでないタイミングもあります。ここを見誤ると、生活そのものが崩れかねません。
貯金が生活費3か月分を下回っている場合、スキルにまったく手をつけていない場合、家族の同意が得られていない場合は、いったん立ち止まってください。辞めることは目的ではなく手段にすぎません。
在職中に準備を進めるという選択も、立派な前進です。
会社員を辞める前のよくある質問

ここでは、会社員を辞めることに関して特に多い疑問にお答えします。私自身が退職前に調べたことと、実際に経験して分かったことをまとめました。不安の多くは、知らないことから生まれます。
気になる項目だけでも目を通してみてください。
貯金なしで会社員を辞めても大丈夫ですか
おすすめできません。収入が入るまでの生活が成り立たず、焦って条件の悪い仕事を受けることになるためです。最低でも生活費3か月分、できれば6か月分を用意してから動きましょう。
会社員を辞めるベストな時期はいつですか
賞与の支給後や、担当業務に区切りがつく時期が現実的です。住民税の負担を考えると、年度替わりの時期も資金計画を立てやすくなります。
家族に反対されたらどうすればいいですか
感情ではなく計画で対話しましょう。貯金額、月々の生活費、いつまでにいくら稼ぐか、達成できない場合の対応をセットで伝えると、反対から相談へと変わっていきます。
退職後の健康保険はどれを選ぶべきですか
前年の所得が高い方は任意継続、所得が低い方や扶養家族が多い方は国民健康保険が有利になる傾向があります。退職前に市区町村の窓口で試算してもらい、金額を比べて決めるのが確実です。
フリーランスでも失業給付はもらえますか
順番を守れば受け取れます。私は失業給付を先に申請し、給付が終わってから開業届を出しました。開業届を先に提出すると事業開始とみなされ、給付の対象から外れてしまいます。給付期間中に収入を得た場合も、その分は受け取れません。
辞めた後に会社員へ戻ることはできますか
可能です。フリーランスを経験してから再就職する方は珍しくありません。ただしブランクが長引くほど選択肢は狭まるため、期限を決めて挑戦することをおすすめします。
まとめ

会社員を辞める判断は、勢いではなく準備で決まります。ここまでの内容を振り返っておきましょう。
- 失業給付は給料の約6割で3か月のみ
- 自己負担になる社会保険料と住民税
- 在職中に済ませる準備7つ
- 貯金の目安は生活費6か月分以上
- 失業給付が先で開業届は後
- 家族への説明は数字で行うこと
私は10年半勤めた会社を辞め、1年半分の貯金を持って独立しました。それでも準備不足でした。スキルを用意せずに飛び出した結果、今も貯金を切り崩す毎日です。
うまくいった話だけでなく、つまずいた話もそのまま記録していきます。同じように会社を辞めるかどうかで迷っている方にとって、この記録が判断材料になれば嬉しいです。
まずはあなたの毎月の生活費を書き出すところから始めてみてください。退職後に貯金がどれくらいのペースで減っていくのかは、脱サラ半年で貯金は150万円減る|内訳と生活費で実額をすべて公開しています。生活費の内訳から税金の負担まで、数字をそのまま載せました。
お子さんを保育園に預けている方は、退職後の認定の手続きにも期限があります。その実際は退職後に保育園は続けられるかに書きました。退職後に自分で払うことになるお金については退職後の国民年金は年21万円、開業届の出し方は開業届の出し方は10分で終わるにまとめています。どちらも準備のうちに知っておくと、辞めたあとの見通しが立てやすくなります。

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